スウェーデンの工房・プレイヤー"Lars Gerdt"(ラース・ヤルト)によるBbトランペットです。
本体に加え、この楽器の収容に適したTorpedoケース(革ではなく"ロイヤルブルー"色のファブリック地の軽いタイプです。オプションのミュートバッグ付です)が付属します。

リードパイプには「40+」、ベルには「29X GB」の刻印があります。
ラッカーやメッキのないロウブラス仕上げ。
ベルチューニング仕様。
チューニングはベル側のネジ留めを緩め、リードパイプ側の丸いダイヤルでコンマ数ミリ単位で微調整が可能です。
(レール端にある銀色のマイナスネジは外れ留めです)

ボアはMLの様ですが、リードパイプから3番管までシームレス管のためスムースな息抜けが確保されていますが、ニッケルパーツを各所に採用することで"伸び"よりも"まとまり"感のあるバランスに作られています。

サウンドは至って現代的で、ゴールドブラスベルのためかイエローブラスベルのようなパリッとした明るさよりも少ししっとりとした落ち着きのある音色です。

製作者本人がプロ奏者ということで一本一本調整の上で仕上げられているようで、どの音域でも、どんなダイナミクスでも均一な音が並びます。

吹き込んで音量を上げた際の強い鳴りが特徴的で、ベルシェイプなのか、材質なのか全体の作りなのか分かりませんが"うるさく"ありません。
明らかに強く、迫力のある通るサウンドなのですが、そばで大音量で鳴っていても嫌な感じがなく、まろやかというか、キメの細かい質感です。

酸化皮膜が着き始めルックスはインダービネンの様な雰囲気もありますが、あちらはバリッとした感触も持ち合わせている一方で、この楽器はオーケストラのホールやスムースジャズ的なシュッとしたスーツの似合うサウンド感です。

アダムスに入る前のバウワーファイント製バルブブロックだと思うのですが、ストレスなく一度使うとクセになる感触です。
ニッケルのヘビーボトムキャップが全体のバランスを左右している印象があり、外すとかなり軽い印象に変わりますので、未確認ではありますがブラス製の標準的な重さのキャップに変えると伸びのある、ややコンパクトな操作感のバランスに変えられるのではないかと思います。
(バウワーファイントのパーツを単品で入手するのは難しいと思いますので、KGU BRASSや国内の工房などで特注していただくのがよいかと思います。)

良好なコンディションで入手し、一時都内の専門店に委託に出していましたが、やはり惜しくなり一度引き取ってからは毎日吹き込んでいました。

リードパイプがシームレス管のため吹いた後は必ず毎回水洗いを行っていましたので、コンディションは変わらず良好、もしかすると小キズや浅い凹みはあるかもしれませんが、隈なく探してようやく見つかるかどうかと言うくらい良い状態です。
本当にとても大事に扱っていました。

一度手放してしまうと同じものは手に入らないのは承知の上ですが、個人的には古い楽器のサウンド感が好きで、ちょっとこちらは現代的過ぎました。
新しい楽器の購入資金調達のため手放します。

円安で海外品問わず楽器がとても高くなっていますが、このメーカーは本数の少なさゆえか認知度も低く相場も高くないため、この価格帯ならば大変お買い得だと思います。

ぜひ引き続き大事にしてくださる方に落札いただきたい名器です。
質問がございましたら必ず入札前にご連絡ください。
落札後はノークレームノーリターンを厳守くださる方のみとのお取引を希望いたします。

仕事と育児の都合により、説明欄にございますように発送までは数日お時間を頂戴します。
オークション終了までは梱包はいたしませんので、楽器の詳細の確認は終了まで可能です。

それではどうぞよろしくお願いいたします。